制作会社を変えるとき、検索評価を落とさないための移行設計

こんにちは。ワクワクラボのはぜやまです。
制作会社を変えてサイトを作り直すとき、いちばん避けたいのは、それまで積み上げてきた検索評価を失うことです。デザインが新しくなっても、検索から人が来なくなってしまっては困りますよね。私たちが引き継ぎの案件をお受けするときも、ここの設計にいちばん時間をかけています。この記事では、移行の前に何を棚卸しし、どう転送を組むのかを、手順の形で書いていきます。
移行で失われるのは順位そのものではなく、URLとの結びつきです

検索エンジンは、ページの評価をURL単位で持っています。ですから、これまで評価されてきたページのURLが変わって、そこに転送が用意されていないと、評価の受け渡しが起こらないのですね。
作り直しでよく起きるのは、この受け渡しの取りこぼしです。中身は同じ内容が新サイトにも載っているのに、住所が変わったことだけが伝わっていない、という状態になります。
つまり移行設計とは、デザインの設計ではなく、URLの設計なのです。そもそも作り直すべきかどうかという手前の判断は、ホームページをリニューアルすべきタイミング。年数ではなく状態で判断するにまとめました。
それではまず、手順の1つめから見ていきましょう。
手順1。いまのサイトにあるURLを、3方向から棚卸しします
最初にやるのは、現行サイトの全URLを洗い出すことです。私たちは、サイトマップ、Search Console、サイト内リンクの3方向から拾います。
3方向から見るのは、どれか1つだけでは漏れが出るためです。サイトマップに載っていないのに検索から人が来ているページもあれば、メニューからは辿れないのにリンクが残っているページもあります。
ここで拾い切れなかったURLは、そのまま行き先のないURLになります。棚卸しの粗さが、あとの取りこぼしにそのまま出るのですね。
手順2。旧URLと新URLを、1対1の対応表にします
洗い出したURLは、新しいサイトのどのページにあたるのかを1本ずつ決めていきます。1対1で対応させるのが原則です。
表の形にすると、こういう並びになります。
| 旧URL | 新URL | 転送 |
|---|---|---|
| 旧サイトの会社案内 | 新サイトの会社案内 | 301 |
| 旧サイトのサービス一覧 | 新サイトのサービス一覧 | 301 |
| 旧サイトの記事ページ | 新サイトの同じ記事 | 301 |
地味な作業ですが、この表が移行のすべての土台になります。あとから「あのページはどこへ送るんだったか」と迷わないよう、判断を全部この表に書き込んでおきます。
手順3。転送は301で行います。302は使いません
対応表ができたら、転送の設定に入ります。ここで使うのは301です。
301は「恒久的転送」、302は「一時的転送」を意味します。ページの引っ越しは戻す前提のない移動ですから、恒久的である301を選ぶ、ということですね。302は一時的な状態として扱われるため、移行では使いません。
301であれば、何年転送を続けても評価は引き継がれます。「そろそろ転送を外していいのでは」と考える必要はなく、外さないままで構いません。
手順4。404を残さず、既存のページを新しい構成に置き直します
移行で起きがちなのが、新サイトに載せる予定のなかったページが、そのまま行き先を失うことです。私たちは404を残さない方針で進めています。
考え方としては、既存のページを捨てるのではなく、新しい構成の中に位置づけ直します。古い記事でも、新しいサイトのどこかに置き場所を作れば、転送先ができるのですね。
判断に迷うのは、内容が古くなっていて新サイトには出したくないページです。この場合も、削除して終わりにはせず、内容の近いページへ送る形にします。
手順5。画像は、ファイルそのものを引き継ぎます
これは私たちが実際に苦労した部分なので、少し詳しく書きます。
別のホスティングからサーバーを移行した案件で、記事の本文は移ったものの、画像のURLが旧ドメインを指したままになっていたことがありました。旧サーバーの契約はすでに終了しており、画像そのものが取得できない状態でした。
Wayback Machine で復元を試みたのですが、必要な時期のファイルはクロールされておらず、この経路では回収できませんでした。手が尽きた、という感覚でしたね。
このとき分かったのは、元の画像ファイルさえ同じファイル名・同じ階層で手元にあれば、同じパスに置いてドメイン単位の一括置換をかけるだけで、全記事の画像が一度に戻るということです。逆に言えば、ファイルがなければ本文だけが残ります。
ですから移行のときは、画像ファイルそのものを確実に引き継ぐことが前提になります。旧サーバーの契約を切る前に、ファイル一式を手元に落としておく、ということです。
ここまで読んで、自社のサイトを移すときは何から手をつければいいのだろうと思われた方は、LINEから気軽に聞いてください。
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引き継ぐ前に、いまのサイトの中身を確認しておきます

ここまでは移行の手順ですが、その前段として、引き継ぐサイトの中身を見ておく必要があります。私たちが確認しているのは、次の5つです。
- サイトURLとホームURLの設定
- wp-config.php に書かれた独自の設定
- テーマの functions.php に書かれた独自処理
- プラグインの一覧と、独自プラグインの有無
- .htaccess の内容
なぜこれを見るのかというと、標準的な作り方をしていないサイトがあるためです。私たちが引き継いだ案件では、WordPress のファイルが標準の階層ではなく、独自のディレクトリ配下に置かれていました。
このときは、標準の移行手順がそのまま使えず、データベースの中のURLを置換する必要がありました。選べる道は3つありました。
- 独自構造をそのまま維持する。移行は楽ですが、保守がずっと難しいままです
- 標準構造に直す。保守は楽になりますが、旧URLが404になります
- 標準構造に直したうえで、旧URLから301で転送する
私たちは3を選びました。新しい環境は標準構造になり、旧URLへのアクセスも壊れないためです。手順としては増えますが、あとで効いてくるのはこちらでした。
どこまで確認してくれる相手なのかは、依頼先を選ぶ段階で見えます。その観点はホームページ制作会社の選び方。名古屋で依頼する前に確認する判断基準に書きました。
対応表は、公開前にレビューして確定させます
最後に、手順2で作った対応表をレビューして確定させます。作った本人だけで見ると、抜けに気づけないためですね。
見るのは、対応先が空欄のまま残っていないか、1つの新URLに雑にまとめてしまっていないか、301以外が混じっていないか、といったところです。
この確認を公開前に済ませておくと、公開後に慌てて転送を足すことがなくなります。逆に、公開してから対応表を作り始めると、その間ずっと取りこぼしが続くことになります。
移行のあと、順位が動いて見えることがあります

移行が終わったあと、検索からのアクセスが減ったように見えることがあります。ここで気をつけたいのは、原因を移行だと決めつけないことです。
私たちが診断した案件では、クリック数が減った理由が順位の下落ではなく、一時的に検索が増えていたテーマの反動だったことがありました。切り分けの手順はクリック数が減ったとき、順位下落と決めつける前に確認したことにまとめています。
移行の直後は、まず対応表どおりに転送が効いているかを確認します。そこが問題なければ、原因は別のところにあると考えて切り分けに進みます。
よくある質問
URLは変えないほうがよいのでしょうか?
変えずに済むなら、それがいちばん確実です。ただ、構成を作り直す以上、変わるページは出てきます。大切なのは変えないことではなく、変えたURLを1対1で転送先につなぐことです。
301の転送は、いつまで続ければよいですか?
外す必要はありません。301であれば、何年転送を続けても評価は引き継がれます。転送を外すと、旧URLへのアクセスがそこで途切れることになります。
旧サイトのデータは、いつまで残しておくべきですか?
新サイトの公開後、少なくとも画像を含むファイル一式を手元に持っておいてください。旧サーバーの契約を切ったあとで画像の欠けに気づくと、取り戻す手段がほとんどありません。私たちはそれで回収できなかった経験があります。
この記事の要点
- 移行で失われるのは順位そのものではなく、評価とURLの結びつき。移行設計はURLの設計になる
- 現行の全URLを、サイトマップ・Search Console・サイト内リンクの3方向から棚卸しする
- 旧URLと新URLを1対1の対応表にし、公開前にレビューして確定させる
- 転送は301(恒久的転送)を使う。302は使わない。301なら何年続けても評価は引き継がれる
- 404を残さない。新サイトに載せないページも、内容の近いページへ送る
- 画像はファイルそのものを引き継ぐ。旧サーバーを切ったあとでは回収できないことがある
- 引き継ぐ前に、サイトURL設定・wp-config.php・functions.php・プラグイン・.htaccess を確認する
ワクワクラボでは、他社が制作したサイトの引き継ぎと、検索評価を保ったままの移行をお受けしています。「いまのサイトを触ってよいのかどうかから見てほしい」という段階でも大丈夫です。


